
この記事の結論
- 院が「AI検索対策は何をすればいいか」と聞く問いでは、引用の49%がGoogle・OpenAI・Bingの公式ドキュメントで、支援会社の解説記事の側に決まった情報源は見当たりませんでした
- 患者が院の選び方を聞く問いでは、引用の約4割が学会・行政で、内科のように行政のサイトだけで答えが終わる診療科もありました
- 院のサイトでは、クローラーの設定・医療情報ネットの登録内容・施術ページ冒頭の答えを確かめ、同じ問いで定点的に測ることから始められます
目次
ChatGPTは医療の質問で何を引用しているか(2026年9〜10月・54問の実測)
ChatGPTに医療の問いを54問・合計171回投げて、引用元を数えました。院が「AI検索対策(LLMO)は何をすればいいか」と聞く問いでは、引用の49%がGoogle・OpenAI・Bingの公式ドキュメントでした。患者が「どの院を選べばいいか」と聞く問いでは、約4割が学会・行政でした。クリニックのAI検索対策は、ChatGPTのクローラーを止めていないか、医療情報ネットの登録内容、施術ページ冒頭の答えの3つを確かめるところから始められます。
調べ方は次のとおりです。Web検索を使う設定のChatGPT(日本・日本語)に、当社が決めた54問を1問あたり2〜5回投げ、回答に含まれるリンクをサイト(ドメイン)ごとに延べで数えました。院がAI検索対策を聞く問いと、患者が院の選び方を聞く問いは2026年10月3日と4日の2回ずつ、そのほかの問いは9月24日から10月4日にかけて取っています。取得にはDataForSEOのLLM Scraperを使いました。問いは当社が自社の事業に合わせて作ったもので、当社のサービス名を含む問いは集計から外しています。
ChatGPTの回答は、同じ問いでも聞くたびに変わります。1問あたり2〜5回の取得では、引用元の傾向は見えても、特定のサイトが「いつも出る」とまでは言えません。また、本調査はChatGPTだけが対象で、GoogleのAIによる概要は測っていません。患者側の問いには地域名を入れていないため、「◯◯駅 皮膚科」のような問いでどの院が出るかも分かりません。月に1回、同じ問いで取り直して推移を追記していきます。
54問は、聞く人と目的で5つに分けました。
| 問いの種類 | 問いの例 | 問いの数 | 回答の数 |
|---|---|---|---|
| 院がAI検索対策を聞く | 眼科クリニックのAI検索対策(LLMO)は何をすればいいですか? | 14問 | 28回 |
| 患者が院の選び方を聞く | 白内障の手術を受ける眼科はどうやって選べばいいですか? | 11問 | 22回 |
| 院が施術や運営を相談する | 二重整形の患者を増やしたい美容外科です。集患で何をすべきですか? | 18問 | 79回 |
| 院が支援会社を探す | 美容クリニックの集客を頼むならどこの会社がいいですか? | 9問 | 38回 |
| 業者が自社の対策を聞く | 医療機器メーカーのAI検索対策(LLMO)はどう進めればいいですか? | 2問 | 4回 |
このうち「院が支援会社を探す」「業者が自社の対策を聞く」の2種類は、会社名を挙げる問いと件数の少ない問いのため、本記事では結果を扱っていません。
クリニックのLLMO対策を聞くと、ChatGPTは公式ドキュメントを引用する
「◯◯科のAI検索対策は何をすればいいか」という院側の問いでは、引用の延べ184件のうち90件(49%)が、Google・OpenAI・Microsoft(Bing)の公式ドキュメントでした。問いは美容・歯科・婦人科・眼科・整形外科・皮膚科・内科・小児科・心療内科・耳鼻咽喉科・泌尿器科の11の診療科で作っています。
公式ドキュメントはほぼ毎回引用され、Googleの開発者向けサイトは28回中25回、OpenAIのヘルプは28回中15回に出ました。一方で、支援会社の解説記事は顔ぶれが毎回変わり、最も多いサイトでも28回中5回でした。今回の28回では、解説記事の側に決まった情報源は見当たりませんでした。
公式ドキュメントの内容は、院にとっても出発点になります。Googleは、検索の生成AI機能向けにサイトを整えるためのガイド(2026年7月10日更新)で、SEOの基本がそのまま当てはまること、AI向けのファイルやマークアップを新しく作る必要はないこと、llms.txtは表示に良くも悪くも影響しないこと、生成AIの検索に構造化データは必須ではないことを示しています。OpenAIは、ChatGPTの検索の回答に表示されるには、robots.txtでOAI-SearchBotというクローラー(サイトを読みに来るプログラム)を許可するよう案内しています。
患者がクリニックの選び方を聞くと、学会・行政と院のサイトが引用される
患者が「◯◯科のクリニックはどう選べばいいか」と聞く問いでは、引用の20%が学会・大学・団体、19%が厚生労働省などの行政でした。合わせて約4割が公的な情報源です(ChatGPTの画像置き場のリンクは数えていません)。
行政のサイトでは、厚生労働省の医療情報ネット(ナビイ)がよく出ました。ナビイは、医療機関が都道府県に報告した情報(診療日・診療科目・対応できる治療など)を、全国共通の仕組みで公表しているサイトです。ChatGPTは、ナビイの検索画面を「ここで探せます」と案内する形で引用していました。
残りの多くは個々のクリニックのサイトで、引用されたのはトップページ・料金・医師紹介・施術のページが中心でした。診療科による違いも見えています。インプラントや白内障のように、費用や手術の内容で比べて選ぶ治療では、院や病院のページが多く引用されました。内科の選び方を聞く問いは2回とも厚生労働省のサイトだけで、小児科・心療内科も行政のサイトだけの回がありました。医療脱毛では大手の脱毛クリニックのサイトが並び、聞き直すと比較・ランキングの記事が並ぶ回もありました。
患者側の回答の土台は、学会・行政の情報でした。貴院の診療が「比べて選ばれる治療」に近いか、「行政の案内で足りる診療」に近いかで、AI検索対策にかける手間の優先度は変わります。1問2回の取得なので、どの種類のページが引用されやすいかまでは言えません。
運営の相談では、行政の資料が約3割
院が施術や運営を相談する問いでは、引用の27%が厚生労働省などの行政でした。ただし中身は問いによって大きく違います。
院内での生成AIの使い方を聞く問い(6問30回)では、行政が46%を占め、個人情報保護委員会や厚生労働省の安全管理の資料が中心でした。施術の集患を聞く問い(11問44回)では行政は21%で、医療広告ガイドラインや医療広告規制のページが引かれ、残りは大手の美容クリニックのサイト、ポータルサイト、医療系の専門メディアに分かれました。院の経営の相談でも、規制に関わる話題ではAIが一次情報を添えて答えていることが分かります。
診療科ごとの結果
患者が院の選び方を聞く問いで、診療科ごとに引用された主な情報源は次のとおりです(各科1問・2回分の結果です)。
| 診療科(問い) | 引用された主な情報源 |
|---|---|
| 美容(医療脱毛) | 大手の脱毛クリニック・比較記事 |
| 歯科(インプラント) | 日本口腔インプラント学会・院のサイト |
| 婦人科(生理痛・PMS) | 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会 |
| 眼科(白内障) | 日本眼科学会・大学病院 |
| 整形外科(腰痛・膝) | 医療情報ネット・日本整形外科学会・院のサイト |
| 皮膚科(ニキビ) | 日本皮膚科学会・医療情報ネット・院のサイト |
| 内科(健診後の受診) | 厚生労働省のサイトのみ |
| 小児科(子どもの発熱) | 厚生労働省・院のサイト |
| 心療内科(初めての受診) | 厚生労働省・医療情報ネット |
| 耳鼻咽喉科(花粉症) | 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会・院のサイト |
| 泌尿器科(頻尿) | 日本泌尿器科学会・院のサイト |
クリニックのAI検索対策(LLMO)で確かめたい5つのこと
院のサイトで先に確かめたいのは、クローラーの設定、医療情報ネットの登録内容、施術ページ冒頭の答え、医療広告ガイドラインとの食い違い、同じ問いでの定点的な測定の5つです。
- クローラーを止めていないかrobots.txtでOAI-SearchBotを拒否していると、ChatGPTの検索の回答には表示されません(院名で探されたときのリンクとしては出ることがあります)。設定を変えてから反映まで約24時間かかります。サーバーやセキュリティ用のプラグインで止まっていないかも、制作会社に確認してもらうのが確実です。
- 医療情報ネットの登録内容患者側の問いでは、ChatGPTが医療情報ネットの検索画面を案内する回がありました。案内された患者がそこで貴院を見たときに、診療科目や対応できる治療がいまの診療と合っているかを確かめます。
- 問いへの答えを冒頭に置く施術ページや診療案内の最初に、患者がAIに聞きそうな問い(どんな症状の人に向くか・治療の流れ・期間・起こりうるリスク)への答えを短く書き、書いた医師と更新日も載せます。Googleは、コンテンツの質を見る考え方としてE-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)を示しており、健康に関わるページでは特に信頼性を重く見るとしています。AI向けの特別な書き方ではなく、人のために役立つ内容を勧めています。
- 医療広告の線を守る施術の相談では、AIの回答に医療広告ガイドラインがよく引用されます。体験談や治療前後の写真の扱いなど、ページの書き方がガイドラインと食い違わないようにしておきます。
- 同じ問いで定点的に測る患者が聞きそうな問いをいくつか決め、月に1回、同じ問いを数回ずつChatGPTに聞いて、貴院のサイトが出た回数を記録します。1回で出た・出なかったでは判断しません。Google Search Consoleの生成AIのパフォーマンスのレポートでも、表示の様子を確かめられます。
- robots.txtとボット対策の設定
- 医療情報ネットの登録内容
- 施術ページの冒頭の答え
- llms.txtの設置
- AI向けの専用ページづくり
- 構造化データだけを増やすこと
医療のAI検索対策は、ととっぷにご相談ください
5つの確認は、院内の体制でも始められます。まずはrobots.txtの設定と医療情報ネットの登録内容を確かめ、患者がAIに聞きそうな問いを決めて、一度ChatGPTに聞いてみてください。
手間がかかるのは、問いを決めて毎月測り続けることと、施術ページを1枚ずつ直すことです。ChatGPTの回答は聞くたびに変わるので、同じ問いを何度も取って数える必要があります。直す段階では、医療広告ガイドラインと照らし合わせながら書き換えることになります。
ととっぷは、2011年の創業から、美容医療を中心に100院以上のクリニックの集患を支援してきました。患者向けの「美容医療相談室」も運営しており、患者が施術や院選びのどこで迷うかを日々見ています。本記事と同じ方法で貴院の問いを決めて測るところから、施術ページの見直しまでお手伝いしています。まず貴院がAIにどう紹介されているかを知りたい場合は、AI検索の無料診断で、患者が聞きそうな問いをChatGPTに投げた結果をお送りします。ご相談の際は、主な施術・診療の名前と、サイトの設定を触れる制作会社の連絡先が分かると話が早く進みます。手が回らない・難しそうと感じたら、相談だけでもどうぞ。
院内でそのまま使える
AI検索対策 院のサイト確認チェックリスト
チェックして確認できます。印刷してスタッフと共有することもできます。
よくある質問
llms.txtは置いたほうがいいですか?
Googleは、llms.txtは生成AI機能での表示に良くも悪くも影響しないとしています。置くこと自体に害はありませんが、先にrobots.txtの設定や施術ページの中身を確かめるほうを優先するのがよいと考えます。
構造化データを入れれば、AIに引用されますか?
Googleは、生成AIの検索に構造化データは必須ではないとしています。構造化データはこれまでどおりSEOの一部としては役に立ちますが、入れたからといってAIに引用されるとは限りません。
ChatGPTに一度表示されれば、ずっと表示されますか?
ChatGPTの回答は、同じ問いでも聞くたびに変わります。本記事の調査でも、同じ問いを聞き直すと、引用されるサイトが入れ替わる回がありました。決まった頻度で同じ問いを聞き、表示された割合で見るのが現実的です。
GoogleのAIによる概要とChatGPTで、対策は別々に要りますか?
Googleの生成AI機能については、GoogleがSEOの基本がそのまま当てはまるとしています。ChatGPTについてはOpenAIのクローラーを許可しているかの確認が加わりますが、ページの中身の作り方は大きく変わりません。
集客の流れ全体を見直したい方へ医療専門のFDMによる、無料の集客診断(2〜4週間)




