院内のAI活用 全診療科

クリニックの生成AI導入はどこから?始め方と入れてはいけない個人情報

公開 執筆 ととっぷ編集部 監修 内田聖也

クリニックの生成AI導入はどこから?個人情報を入れない業務と院内ルールの作り方

この記事の結論

  • クリニックの生成AI導入は、患者の情報を使わずに試せる院内の仕事から始めるのが進めやすい方法です。求人票・院内マニュアル・お知らせ・議事録などが候補になります。カルテや問診の要約など、患者の情報を入れることになる使い方は、最初の段階では選びません。
  • 最初の壁は道具選びより、どの情報を入れてよいかの線引きです。個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年6月2日)と厚生労働省の安全管理ガイドライン第7.0版を踏まえ、入れてはいけない情報を具体的な言葉で先に決め、入力が学習に使われない法人向けプランを選びます。
  • 最初は法人向けプランの1〜2人分、月数千円から始められます。院長か、院内で旗を振る1人(事務長など)が自分で試して使いどころをスタッフに渡し、院内ルールを1枚にまとめて配ると、院内に広がりやすくなります。
目次
  1. 生成AIは、患者の情報を使わない仕事から試します
  2. 現場が迷うのは、患者情報の線引きです
  3. 入れてはいけない個人情報を、先に決めます
  4. ChatGPTなどは、学習に使われない法人プランで
  5. 院長か担当者が試し、ルールは1枚で配る
  6. 次に広げる仕事は、2つの軸で決めます
  7. 生成AI導入は、ととっぷにご相談ください

生成AIは、患者の情報を使わない仕事から試します

クリニックで生成AI(指示に応じて文章などを作るAI)を使い始めるなら、最初は求人票・院内マニュアル・お知らせ・議事録のような、患者の情報を使わずに試せる院内の文書作成が向いています。どれも患者の情報に触れずに試せて、出来の良し悪しを院長やスタッフが自分の目で確かめられます。どの仕事から始めるかは院によって違うため、ここに挙げたのは例です。患者向けの説明文やブログは、その次の段階で医師の確認と医療広告の確認をつけて広げます。

反対に、カルテの記載や問診の要約のように患者の情報を入れることになる使い方は、確かめることが多いため、導入の最初には向きません。道具の契約内容と院内の管理体制を確かめる手順が要り、そこで時間がかかって導入そのものが止まりやすいためです。生成AIの導入で最初につまずくのは、道具選びより「どの情報を入れてよいか」の線引きです。

患者情報を使わない仕事から求人票・マニュアル・下書きなど
線引きが先入れてはいけない情報を最初に決める
院長が触る任せきりにしない

生成AIの導入は、5つの順番で進めます

クリニックの生成AI導入は、次の順で進めます。

  1. 入れてはいけない情報を決める患者と職員を特定できる情報を、具体的な言葉で書き出す
  2. 道具とプランを選ぶ入力が学習に使われない設定や契約を、公式ページで確かめて選ぶ
  3. 院長か担当者が試す求人票や院内文書など、患者の情報が要らない仕事で使ってみる
  4. 院内ルール1枚を配る入れてはいけない情報・使う道具・確認する人・報告先を1枚にまとめる
  5. 使う仕事を広げる医療の内容を含む説明文やブログへ広げ、患者の情報を扱うかは最後に判断する

次の節で医療の現場の声を見たあと、この順番に沿って説明します。皮膚科の使い方は皮膚科クリニックの生成AI導入で扱い、本記事はどの診療科にも共通する入口の話にとどめます。

現場が迷うのは、患者情報の線引きです

医療の現場で生成AIの導入が止まりやすいのは、道具の使い方より、患者の情報をどこまで入れてよいかが決まっていないときです。X(旧Twitter)で医療者の投稿を見ると、患者の情報を入れられないことへの不満と、もっと気軽に使えばよいという声の両方が出ています。

スタンドアローンの生成AI、結局院内上層部の方針で患者情報入れれなかったら効果半減やで😭

@K_Pharm_grtahve の投稿(X)

病院の薬剤師の方の投稿で、クリニックとは規模が違う話です。それでも、患者の情報を入れる使い方を最初の目当てにすると、院の方針で止まったときに「効果が半分になった」と感じやすくなります。最初の成果は、患者の情報が要らない仕事で出しておくほうが、導入が止まりにくくなります。

どうしたら医療機関でも、AI導入が進むんだろうか。
ぶっちゃけ、指名や住所などの個人が特定されないように注意すれば、どんどんAI導入したほうが良いと思うんだけどなー。
とくにクリニックや訪看などの小規模事業所であれば、院長(所長)の許可を取るのは病院ほど難しくない。

@reha_money_blog の投稿(X)

理学療法士の方の投稿です。クリニックは院長の判断で進められるぶん、病院より導入が早く進む余地があります。一方で、名前や住所を消しても、年齢・来院日・症状の組み合わせで個人が分かる場合があります。院長が決めるべきなのは「使うかどうか」より先に、どの情報を入れてはいけないかの線です。

迷いやすいところ:名前を消せばよいか

名前を消した文章でも、ほかの情報と組み合わせて特定の患者が分かるなら、個人情報として扱う必要があります。どこまで加工すれば個人情報にあたらないかは法律の定義に照らした判断が要るため、導入の最初の段階では、カルテや問診の文章そのものを入れない運用にとどめます。

入れてはいけない個人情報を、先に決めます

生成AIの道具を選ぶ前に、院として「入れてはいけない情報」を先に決めます。医療機関が扱う情報の多くは法律上、特に慎重な扱いが求められる情報にあたり、どの道具を選ぶかより、何を入れてはいけないかのほうが院の守りに直結するためです。押さえておきたい公的な資料は次の3つです。

資料 院として押さえる点
個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年6月2日) 個人情報を入れるなら利用目的の範囲内か、入力が機械学習に使われないかを確かめる
要配慮個人情報(個人情報保護法) 病歴や診療の情報は、特に慎重な扱いが求められる
厚生労働省の安全管理ガイドライン第7.0版(令和8年6月) 委託先での管理も、院の責任に含まれる

1つ目は、個人情報保護委員会が令和5年6月2日に公表した生成AIサービスの利用に関する注意喚起等です。事業者が個人情報を含む指示文(プロンプト)を入力する場合は、利用目的の範囲内であることを十分に確認すること、本人の同意なく個人データを入力し、そのデータが応答の出力以外の目的で扱われる場合は法律違反となる可能性があるため、提供事業者が機械学習に利用しないこと等を十分に確認すること、が示されています。

2つ目は、個人情報保護法の要配慮個人情報(取り扱いに特に配慮が必要な個人情報)です。病歴や、医師等による診療が行われたこと、健康診断等の結果などがここに含まれ、取得には原則として本人の同意が必要です。医療機関向けの留意点は医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンスにまとめられています。

3つ目は、厚生労働省の医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第7.0版(令和8年6月)です。経営管理編では、外部の事業者に委託した場合も、委託先での医療情報システムの管理は医療機関の管理責任に含まれ、委託先の過失による事故でも医療機関は責任を免れないとしています。

海外のサーバーの生成AIは使えるか(安全管理ガイドラインQ&A Q18)

厚生労働省の医療情報システムの安全管理に関するガイドラインと同じページで公開されているQ&A(令和8年9月)の企画管理編Q18では、生成AIに医療情報を入力する場合について、入力した情報が「AIの学習等のために保存されないこと」が契約等で担保されていれば、サーバが国内法の適用を受けていることは必須ではない、と答えています。国内のサーバでなければ使えないわけではない一方、契約で何が担保されているかを院が確かめることが前提になっています。

迷いやすいところ:法人向けなら入れてよいか

法人向けのプランで入力が学習に使われない設定になっていても、それだけで患者の情報を入れてよいことにはなりません。院の利用目的の範囲に収まるか、委託先としてどこまで管理するか、データがどこに保存されるかを契約で確かめる必要があります。この確認は院ごとの体制で答えが変わるため、本記事では患者の情報を入れる運用は勧めていません。

「入れてはいけない情報」は、抽象的に「個人情報」と書くより、具体的な言葉で並べるほうがスタッフは判断しやすくなります。患者の氏名・生年月日・連絡先・症状・診療内容・検査結果・写真に加えて、職員個人の評価や給与、院のシステムのパスワードやログイン情報も入れてはいけない情報に含めておきます。

ChatGPTなどは、学習に使われない法人プランで

道具は、入力した内容が学習に使われない設定を、院として管理できるプランから選びます。個人向けの無料版も、院長やスタッフが個人で契約した有料版も、学習に使うかどうかの設定は一人ひとりのアカウントで行うことになり、院として確かめようがないためです。2026年10月1日に各社の公式ページで確かめた内容は次のとおりです。

道具 入力の扱い(公式ページの記載) 料金の表示(1人あたり月額・税抜)
ChatGPT Business 法人向けプランの入力と出力は、既定でモデルの学習や改善に使わない 公式の料金ページで金額の表示を確認できなかったため、本記事では載せていない
Google Workspace の Gemini 顧客の事前の許可や指示なく、顧客データを生成AIモデルの学習に使わない Starter 800円・Standard 1,600円・Plus 2,500円(メールなどを含む Workspace 全体の料金。年契約の割引あり。Starter で使える Gemini の機能は限られる)
Claude の Team プラン 法人向け製品の入力と出力は、既定でモデルの学習に使わない(フィードバックを送った場合などを除く) 年払い 20ドル・月払い 25ドル(Standard の席)
Microsoft 365 Copilot Business 指示文と応答は、基盤となるモデルの学習に使われない 年払い 2,698円相当(値引き中の表示)・月払い 3,778円(Microsoft 365 の対象プランの料金に追加)
個人向けの無料版(例:Gemini アプリ) アクティビティの設定がオンのとき、会話が生成AIモデルの学習を含む改善に使われ、人が一部を読むことがある 無料

すでに院で Google Workspace か Microsoft 365 を使っているなら、その上に足す形で、1〜2人分を月数千円から試せます。プランによっては最低人数や、土台になるプランの契約が必要です。料金や入力の扱いは変わることがあるため、契約の前に、各社の料金ページと入力データの扱いのページを開いて確かめるのが確実です。

道具選びで見るところ

見るのは、入力が学習に使われないか、その設定を院の管理者がまとめて管理できるか、スタッフが個人のアカウントで業務に使わずに済むか、の3つです。機能の多さで比べる必要は、最初の段階ではありません。

院長か担当者が試し、ルールは1枚で配る

入れてはいけない情報と道具が決まったら、院長か担当者が自分で、患者の情報が要らない文書作成から試します。院長が難しければ、事務長など院内で旗を振る1人が同じ役を担います。「勉強しておいてください」と任せる形だと、診療の合間に試す時間が取りにくく、止まりやすくなります。院長か担当者が試して、うまくいった頼み方を見せると、スタッフは自分の仕事に置き換えて考えられます。

最初に試すのは、患者情報の要らない文書

最初に試す仕事は、その仕事のために特定の患者を思い浮かべる必要があるかどうかで見分けます。院の形によって、最初に試す1つの例は変わります。

院の形 最初に試す1つの例
保険診療が中心の診療所 院内掲示や、受付で渡すお知らせの下書き
自費診療が中心の院 スタッフ向けの施術の手順書や、院内の研修資料の下書き
分院のある法人 本部で道具とアカウントを決め、各院の院内ルールをそろえる
院長と少人数のスタッフの院 院長が個人で使っている道具を、院のアカウントに切り替える

どの院でも試しやすいのは、求人票、院内マニュアル、休診などのお知らせ、会議の議事録や取引先へのメールの清書です。どれも患者の情報を使わず、出来の良し悪しを院長やスタッフが自分の目で確かめられます。求人票は院外に出る文書なので、給与や勤務時間などの労働条件は原本と照らし合わせます。

頼み方の見本(求人票)

「看護師の求人票の『仕事内容』の欄の下書きを書いてください。院のホームページに載せている次の情報だけを使ってください(ここに公開済みの文章を貼る)。給与と勤務時間は書かずに空欄のまま残してください。」給与と勤務時間を空欄にさせるのは、原本と照らし合わせる工程を人の側に残すためです。

最初に向いている使い方

  • 求人票・院内マニュアル・お知らせの下書き
  • 議事録や取引先へのメールの清書
  • 出てきた文章を、担当者が読んで直してから使う
最初は避ける使い方

  • 特定の患者の症状や検査結果を入れて相談する
  • カルテや問診票の文章を貼り付けて要約させる
  • 生成AIの文章を、読まずにそのまま公開する

院内ルールはA4用紙1枚で

試して使いどころが見えたら、院内ルールを1枚にまとめて配ります。長い規程を先に作ると読まれないまま使い方だけが先に広がりがちなので、A4用紙1枚で始め、運用しながら書き足していきます。

項目 書く内容 書き方の例
入れてはいけない情報 患者と職員を特定できる情報 患者の氏名・生年月日・連絡先・症状・診療内容・検査結果・写真、職員個人の評価や給与、パスワードやログイン情報
入れてよい情報 公開済みの情報と、院内の一般的な情報 公開している診療時間・診療内容、院内の業務手順
使う道具 院として契約した道具とアカウント 院のアカウントで使う。個人の端末・個人のアカウントでは業務に使わない
確認する人 出てきた文章を使う前に読む担当 院外に出す文章は事務長が読む。医療の内容を含む文章は医師が読む
報告先 誤って入力したときの連絡先 患者の情報を入れてしまったら、その場で事務長に報告する

報告先が決まっていれば、誤って入力したスタッフも隠さずに伝えやすくなり、院として早く手を打てます。定着させるには、院長がいないと直せない仕組みを作らないことも大切です。スタッフが頼み方を書き、出てきた文章を自分で直して使う、という単純な形が長続きします。うまくいった頼み方を「求人票を頼むとき」「休診のお知らせを作るとき」のように仕事ごとにまとめておくと、担当が替わっても同じように使えます。

次に広げる仕事は、2つの軸で決めます

最初の仕事に慣れたら、「患者の情報を使うか」「医療の内容を含むか」の2つで仕事を分け、医療の内容を含む文書、患者の情報を扱う仕事の順に広げます。後の段階ほど、使う前に確かめることが増えます。

段階 仕事の例 使う前に確かめること
1. 患者の情報も医療の内容も使わない 求人票・院内マニュアル・お知らせ・議事録・メールの清書 日付・金額・労働条件を原本と照らし合わせる
2. 医療の内容を含むが、患者の情報は使わない 患者向け説明文の言い換え・よくある質問・ブログやホームページの下書き 医師が内容を読む。院外に出す文章は医療広告の規制に沿っているかを確かめる
3. 患者の情報を扱う 問診の要約・問い合わせへの返信・カルテ記載の補助 契約内容・保存先・学習に使われないこと、院内の管理体制を確かめてから判断する(本記事では勧めていない)

2段目の患者向け説明文やよくある質問は、患者の目に触れ、来院の判断にも関わる文書です。生成AIは、もっともらしい言い回しのまま意味を変えてしまうことがあるため、医療の内容を含む文書は、医師が読んでから使うことを前提にします。院の既存の説明文を言い換えさせる使い方でも、薬の飲み方や処置後の注意など大事な部分が変わっていないかを確かめます。

迷いやすいところ:ブログは院内の文書か

ブログやホームページの文章は、院が特定できて患者を集める目的があれば、医療法の広告規制の対象です。生成AIが書いた文章には、効果を言い切る表現や体験談のような言い回しが混ざることがあり、書いた本人が気づきにくい点に注意が要ります。医療広告ガイドラインで見る箇所は、クリニックのブログをAIで書くときの注意点で詳しく扱います。

3段目に進むかどうかは、院内ルールの運用が回ってから、前の節で見た公的な資料と道具の契約内容に照らして判断します。この段階は院ごとの体制で答えが変わるため、他院の使い方をそのまま真似るのは避けたほうが安全です。

生成AI導入は、ととっぷにご相談ください

院内の生成AI導入は、ここまでの5つの順番に沿って、貴院の中で進められます。手始めに、院長か担当者が院のアカウントで求人票か院内マニュアルを1つ作ってみてください。

進めるうちに時間を取られやすいのは、作業より確認の工程です。入れてはいけない情報は貴院の診療内容に合わせて言葉を選ぶ必要があり、道具の料金や入力の扱いは契約のたびに公式ページで確かめ直します。患者の目に触れる文章は、出すたびに医療広告の規制と照らします。順番ごとの確かめる先は次のとおりです。

順番 手間がかかる・判断が難しいところ 確かめる先
入れてはいけない情報を決める 院の診療内容に合わせて、具体的な言葉で書き出すこと 院内(迷う場合は個人情報保護委員会の相談窓口)
道具とプランを選ぶ 入力の扱いと料金を、公式ページと契約で確かめること 各社の公式ページ。契約や個人情報の法的な判断は顧問の専門家
院長か担当者が試す 最初に試す仕事の選び方と、頼み方 院内(うまくいった頼み方を残す)
院内ルール1枚を配る 誤って入力したときの報告先まで決めること 院内
使う仕事を広げる ホームページ・ブログ・広告に使う文章が、医療広告の規制に沿っているか 医療広告ガイドライン・事例解説書の原文。ととっぷでもお手伝いできます

ととっぷは、院内で生成AIを使う仕事の棚卸しや院内ルールづくりと、患者がAIで貴院を調べたときの見え方の両方をお手伝いしています。美容医療を中心に100院以上のクリニックの集患を支援し、患者向けの美容医療相談室も運営しています。患者が施術や院をChatGPTなどのAIで調べたときに、貴院がどう紹介されているかを確かめ、AIに紹介されやすいページや記事に整えます(AI検索対策)。ホームページや広告の文章が医療広告の規制に沿っているかの確認も、あわせてお引き受けしています。

院内の生成AI導入とあわせて、ホームページからの集患の流れも見直したい場合は、アクセス解析とサーチコンソールの数字を拝見して見立てを出す医療専門のFDMによる、無料の集客診断から始められます。

院内でそのまま使える

生成AIを院内で使い始める前の確認チェックリスト

チェックして確認できます。印刷してスタッフと共有することもできます。

印刷用を開く このチェックリストで相談する

よくある質問

スタッフが個人のスマホで無料のAIを使っているようです。まず何をすればよいですか。

禁止から入るより、院として使う道具と、入れてはいけない情報を先に示すほうが実態をつかみやすくなります。院内ルール1枚を配り、患者の情報を個人の端末や個人のアカウントのAIに入れないことを明記してください。そのうえで院のアカウントで使える道具を1つ用意すると、使い方がそろっていきます。

患者さんの名前を消せば、カルテの文章をAIに入れても問題ありませんか。

名前を消しても、年齢・来院日・症状の組み合わせで個人が分かる場合は個人情報として扱われる可能性があります。どこまで加工すれば個人情報にあたらないかは、個人情報保護法の定義に照らした判断が必要です。導入の最初の段階ではカルテの文章そのものを入れない運用にとどめ、迷う場合は個人情報保護委員会の相談窓口や顧問の専門家に確認してください。

クリニックでChatGPTに患者の情報を入力しても大丈夫ですか?

導入の最初の段階では、入れない運用を勧めます。個人情報保護委員会の注意喚起(令和5年6月2日)は、本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われる場合は法律違反となる可能性があるとして、入力が機械学習に使われないことなどを確かめるよう求めています。法人向けのプランで入力が学習に使われない設定になっていても、それだけで入れてよいことにはならず、利用目的の範囲・委託先としての管理・保存先を契約で確かめる必要があります。

生成AIのサーバーが海外にある道具は、クリニックでは使えませんか。

厚生労働省の安全管理ガイドラインのQ&A(令和8年9月)は、生成AIに医療情報を入力する場合でも、入力した情報が学習等のために保存されないことが契約等で担保されていれば、サーバが国内法の適用を受けていることは必須ではない、と答えています。ただし、これは患者の情報を入れてよいという意味ではありません。契約で何が担保されているかを院が確かめることが前提で、本記事では導入の最初の段階で患者の情報を入れる運用は勧めていません。

生成AIで作った患者向けの説明文を、そのまま配ってもよいですか。

医療の内容を含む文章は、医師が読んでから使ってください。生成AIは、もっともらしい言い回しのまま意味を変えてしまうことがあります。院の既存の説明文を言い換えさせる使い方でも、薬の飲み方や術後の注意など大事な部分が変わっていないかを確かめる工程は省かないことが大切です。

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